あなたがまだ住宅ローンを滞納しはじめたころはまだ、引きおとし日の数日後に「入金がまだ確認できていません」といった内容の留守メッセージが残されていたり、「住宅ローンお支払いのお願い」といったご案内文がポストに届いている程度のものだったのではないでしょうか。

やがて2~3ヶ月もすると、窓口への来店をうながす内容や、「督促状」といった今までのようなご案内よりも返済の要求をつよく求めるような内容の文書がとどくようになりますが、この段階までもまだ一方的にポストに送られてくるだけ。

そのため、あなたは書面に目を通しながら「今月は返済するのがきびしいなぁ…」と手立てをうつことができずとも、日々生活をしていられたかもしれません。

しかし、今回あなたの手元にとどいた「催告書(さいこくしょ)」という文書はほとんどの場合、内容証明郵便という形式でおくられてくるため、郵便局員から直接うけとりますので、今までとはどこか雰囲気がちがうのでは…と感じたのではないでしょうか。

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催告書は今までと状況が違う

今までに何通もの文書がとどき、今回うけとった催告書の内容も、これまでの督促状とそれほど変わりがないために、「また送られてきたか…」と思いたくなるところですが、あなたに届いたその催告書は一言でもうしあげると”金融機関からの最後通告”なのです。

銀行によっては催告書のまえに最終督促状など”最終”という文言の文書が送られてくるところもありますが、督促状と催告書ではあなたの置かれている状況はまったく異なります。

督促状がおくられてきている段階では、今までの住宅ローン延滞分とその遅延損害金の支払いをもとめられていたものが、催告書の段階になると住宅ローン残債もふくめて全額を一括支払いするようもとめられます。

そもそも一括で返済できるくらいなら滞納することもないワケですから、現実的ではありませんよね。

しかし一般的に住宅ローン契約の条項には、”あなたが月々の返済義務を守らなければ、分割で返済をしていく権利をうしないます”といった内容の条項が組みこまれており、一度この権利をうしなってしまうと、ふたたび取りもどすことはもうむずかしいと思った方がいいでしょう。

これを『期限の利益の喪失』と言いますが、金融機関からの書面によって一括返済をもとめられているようであれば、あなたはもう分割で返済していく権利をうしなってしまったということですから、全額一括返済しか道がないことになります。

あなたが受け取ったのが「催告書」なのであれば、早急に手立てをうたなければならない状況ということになりますが、ここで絶対にやってはいけないことは、放置や無視など何もしないでいること。

そして、もうお金を工面することもできないから仕方がないと、諦めてしまうことです。

このような状況ははじめての方がほとんどですから、今この状況から何ができるのか・何をすべきなのか、あなたお一人で悩んでいても最善策をだすことはむずかしくて当然ではないでしょうか。

そのために専門の機関があるのですから、諦めるまえにまずは相談だけでもしてみてください。

催告書が届いたまま放っておくと…

「そんなことをいっても、ないものはない…払えないものはどうにもできない」そういって催告書がとどいてからもあなたから何もアクションを起こさずにいると、その後は一体どうなっていくのでしょうか。

金融機関はこの催告書をあなたに送ったあと、法的手続き、あなたのマイホームを競売にかける準備を着々とすすめていきます。

大まかな目安ではありますが、催告書がおくられてきてから早ければ3~4ヶ月後には、競売手続きが完了してあなたとご家族はマイホームから強制退去…ということも考えられます。

そして手続きが次の段階にはいると、競売の申し立てがおこなわれ、「競売開始決定通知」がとどいてまもなく、裁判所の執行官によってあなたのマイホームの査定が行われ…競売にむけてどんどん準備がすすめられていくことになるでしょう。

もし競売にかけられることになれば、一般市場で売却していればもっと高値で売れたかもしれない物件でも、市場価格よりひくい金額で落札されてしまう可能性ももちろんあります。

競売にかけられたからといって、今ある住宅ローン残債がすべて帳消しになるワケではありませんので、最終的にあなたが返済に充てられる金額が少なくなってしまい、これからのあなたにのこる負担が多くなるのです。

催告書が届いたらどうすればいい⁉

督促状の段階であれば、銀行側もリスケジュール(返済計画のみなおし)に応じてくれることもありますが、催告書の段階まできていると、事情をはなして相談をしたところで、リスケジュールをしてくれる可能性はかぎりなく低いです。

なかには競売にかけることを前提に、マイホーム以外に財産がないかなど、貸し倒れになるリスクを最小限におさえるために、あなたの資産状況を根ほり葉ほりきいてくる銀行もあるでしょう。

銀行にたいしてこのまま連絡をせずにいることは、誠実さにかける行為ですので得策ではありませんが、あなたの生活再建をかんがえた時に、すべてを取りあげられてしまっては、かなり厳しいリスタートになってしまいます。

そうならないためにも少しでもこの先の負担が少なくなることを考え、まずは競売を回避する手段として任意売却ができないかどうか検討してみてください。
(任意売却について詳しくはこちらをお読みください)

すでに催告書がとどいているのであれば、競売にかけられるまでに残された時間はわずかしかありませんので、まずは一日もはやくご相談されることをおすすめします。

任意売却を専門にしている不動産会社であれば、各金融機関の特徴なども分かっていますので、銀行への連絡についてもあわせてご相談されるといいでしょう。

まとめ

毎日のように催促の連絡がきたり、資金繰りのことばかり頭にうかんできたり、ご家族やまわりの方から聞きたくないことばかり言われたり、精神的にもかなりツラい思いをされていらっしゃることと思います。

そこに追い打ちをかけるように、催告書がとどいたりすれば、ますますご不安になりますよね。

そのお疲れからすべてを遠ざけ、何もしたくなくなることもあるかもしれません。

しかし、そのままにしておいても事態はなにも解決せず、むしろ悪化する一方でしかないのです。

時間がたてばたつほど解決策はかぎられてきてしまいますから、今はできるかぎりのことをして、これからの生活をまもることを考えていきましょう。